水使神社(栃木県足利市)

神社名:水使神社(みずしじんじゃ)
祭 神:水波能売命(イソ女水使権現)
鎮座地:栃木県足利市五十部町1235
駐車場:神社入口右側に数台

-足利の伝説-
昔、五十部村に、余戸小太郎という郷士が住んでいました。四つぐらいのかわいい男の子がいて、いつも召使のイソと遊んでいましたが、ある日のこと、イソがふと気がつくと、そばにいたはずの子供の姿が見あたりません。
はじめは、どこかに隠れているのだろうと軽く考えていましたが、屋敷中くまなくさがしてもいません。まるで神かくしにでもあったように。
屋敷の外に出て、子供の名を呼びながら、淵のそばまできたイソの目に、水底にゆらゆら揺れる子供の影が見えるではありませんか。半狂乱のようになっていたイソは、自分が泳げないことも忘れ、子供を救おうとして飛びこみましたが、水中深く沈んで、ついにおぼれ死んでしまいました。
どうして子供が急にいなくなってしまったのでしょう。実は大きな鷲が飛んできて、アッという間にさらっていき、淵のそばにある大松の枝の上で、無残にも殺してしまったのです。水の底に見えたのは、松の枝で死んでいた子供の影でしたが、それを見わけるだけの余裕がイソにはなかったのでしょう。
さてそれからは、この淵のそばを通ると、水の中に呼びこまれるとか、いろいろ異変がおこり、いつしか”影取の淵”といわれるようになりましたが、村人が御厨子さまという神社を建て、イソの霊をまつってから騒ぎもおさまったそうです。
この神社は、近くの田んぼが水あげに困っていたので”田を祭る神”とされましたが、明治維新の際、水使神社と改称しました。水使さまは山の田へ水を上げる神様水あげということから、花柳界の信仰をあつめ、また、婦人の諸病に効験があるともいわれて、今でもお参りの人が絶えないそうです。

水使神社は足利市の西、両崖山への入り口である五十部町に鎮座する。
駐車場は神社右側に数台。
神社の手前にある商店では絵馬を販売している。
影取の淵は枯れて埋め立てられているので、跡形もない。

鳥居を潜ると急な石段。
二の鳥居のところには手水舎。
その裏は社務所だろうか。

拝殿で参拝する。
拝殿には赤ちゃんが使う「お掛け」がたくさん奉納されていた。
水使神社は子宝、子育て、母乳にご利益があるとされているので、今も参拝者の奉納が多いようだ。

周って本殿。
小さいながらもしっかりとした、風格のある本殿だ。

水使神社のご神木。
イチョウの垂れが見事。
このご神木から、子育てに御利益があるとされるのだろう。

社殿の右側には石段があり、登ると機神神社。
足利市は織物の街なので、織姫神社や機神神社が境内に祀られている神社が多い。
社殿のすぐ右側にはちょっとした宝物館があり、男性のシンボルを形どった金精さまや、社が展示されていた。
水使神社は婦人病にも霊験があり、今もなお婦人病が早期発見できたという話を耳にする。
子宝よりもこちらの方が強いのかもしれない。
近所を聞き込みすると、古老から不思議な興味深い話を聞くことができた。
水使神社が鎮座する三重地区には、巨大な鷲が数百年に1回出現する伝説があるそうだ。
そして災いをもたらしていく。
被害にあうのは子供だけで、大人は大丈夫なのだと。
この話は水使神社の伝説ととても似ている。
恐らく水使神社の伝説として伝わっていたものが、周辺地区の伝説となったのだろう。
ただ、本当にその霊的な巨大鷲がいるというのも否定はできない。
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